2011-01-01から1年間の記事一覧

未来からの音楽  『ロス・バン・バン1974』論序説

悦びのために、生命力を開放するために音楽を必要とするひと、美しい音楽を欲望するひとは素敵な大人といえる。そのようなひとは、音楽と幸福な肉体関係にあるのであり、自らの生と、音楽とが、緊密に結びついているのだ。 映画こそが歴史を語りうる、そうゴ…

一遍あるいはニーチェ、推理小説としての音楽

歴史家の網野善彦が音楽について興味深いことを言っている。彼は著書『日本中世に何が起きたか 都市と宗教と「資本主義」』のなかで、まるまる一章を割いて中世の音楽を論じているのだが、そこで示唆されているのが、時宗の一遍がおこなった踊念仏とは、キュ…

ハウス・ミュージック化する製造工程、そしてその先にあるもの

●為替レートと世界シェア この夏に為替相場が急激に変動し、超円高となった、そう大手メディアは報道したが、しかし実質実効為替レートを見ると、別にとりたてて円高というわけでもない、そう語るのは早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問の野口悠紀雄氏で…

アメリカとヨーロッパの経済をめぐる報道について

アメリカとヨーロッパは、日本と共にこれまで世界経済のメインプレイヤーであり続けてきた。しかし現在、欧米のいずれも経済が深刻な状態にある。ところで、欧米の経済に関して、これまでいったいどのような報道がなされてきたのだろうか? まずアメリカだが…

為替相場に関する報道の嘘を暴け

7月に鮮明化した欧米の債務問題を受けて円高が急速に進行した。このことそのものは事実だとしても、しかしその現象に対して、やれ投機的な売買をなんとかしろとか、やれファンダメンタルズを反映していないとか、そのような報道は多いわけだが、彼らはいっ…