2011-12-01から1ヶ月間の記事一覧

未来からの音楽  『ロス・バン・バン1974』論序説

悦びのために、生命力を開放するために音楽を必要とするひと、美しい音楽を欲望するひとは素敵な大人といえる。そのようなひとは、音楽と幸福な肉体関係にあるのであり、自らの生と、音楽とが、緊密に結びついているのだ。 映画こそが歴史を語りうる、そうゴ…

一遍あるいはニーチェ、推理小説としての音楽

歴史家の網野善彦が音楽について興味深いことを言っている。彼は著書『日本中世に何が起きたか 都市と宗教と「資本主義」』のなかで、まるまる一章を割いて中世の音楽を論じているのだが、そこで示唆されているのが、時宗の一遍がおこなった踊念仏とは、キュ…