衆院選を受けて、日経平均の上昇、及び東電ほか電力株の大幅上昇について  アベトレード(自民党アベ相場)は外国からの圧力part2

 衆院選自民党の圧勝に終わったわけですが、それを受けて、週明け初日(12月17日)の日経平均株価終値は大幅に上昇しました。とりわけ、東電をはじめとして電力株の上昇は異常なほどのものでした。これについて解説します。

 まず、日経平均株価ですが、これが17日に上昇した、というのは嘘であり、正しくは、先週金曜(14日)の終わり値から上昇した、これが事実です。

 どういうことかといいますと、この17日、東証の取引が始まった午前9時から取引終了の午後3時までの間だけを見ると、日経平均株価は下落しているのです。これは間違いでもなんでもありません。日経平均は、若干ながら下落しています。じゃあどこで値が上がったかというと、これは東証の取引が開く前の、外国時間においてです。

 前回見たように、先月解散・総選挙が決まって以降、東証1部の売買は、日本の取引時間「−3ポイント」、外国の取引時間「+85ポイント」でした。「日本時間、下落」、「外国時間、大幅上昇」なのです。そしてその流れが、選挙は終わった後もいまだに続いているのです。

 近年、東証の売買の1番の担い手は、アメリカのヘッジファンドを主力とした外国人投資家です。ましてや時間外取引の主体となれば、ここで株の売買を行っているのは当然ながら外国人投資家なのです。つまり、この衆院選の結果を受けても、日本株で儲けているのは、何よりもアメリカのヘッジファンドなどの金融マフィアたちなのです。

 一方、東電をはじめとした電力株の上昇ですが、これについても詳しく見ると、事態が何なのかがつかめてきます。まず、以下に挙げるのが、金曜から月曜までの各電力会社の株価の値上がり率です。

     東京電力    +32・9%
     関西電力    +17・7%
     東北電力    +15・2%
     九州電力    +12・4%
     四国電力    +11・2%

 
 次いで、この電力株の上昇を、業種別騰落率の観点から見てみます。以下が、金曜から月曜までの取引における業種別騰落率の上昇上位5業種です。

   1電力・ガス    9・32%
   2海運        3・97%
   3鉄鋼        2・42%
   4証券・商品    2・40%
   5不動産       2・33%
 
 以上の数字から、全業種のなかで、電力だけが突き抜けて上昇していることがよく解ると思います。で、問題は、この電力株、誰が買っているのか、ということです。

 既に申し上げたように、東証の国内取引時間に限ると日経平均は下落しているものの、しかし電力株の上昇に関しては、この国内の取引時間におけるものなのです。これだけを見ると、これら電力株を買っているのは国内の個人投資家だと思われるかもしれません。しかし、国内取引時間だからといって、そこでの取引が国内の個人投資家によるものだとは限りません。結論から言いますと、ここで電力株を買ったのは、明らかに外国のヘッジファンドです。それは、チャート分析から解ります。

 ストップ高まで行った東電の株価の上昇は、午前11時少し前のことでした。そしてその後、午前11時過ぎに、関電をはじめ他の電力株が軒並み急上昇します。これら電力会社に共通することとして、上昇しているのは、この11時過ぎと、それから昼休みが終わった直後の2度だけなのです。そして、チャートを見れば解るのですが、いずれの上昇においても、右肩上がりに値が上がるというものではなく、その特定のほんの短い時間に、ほぼ垂直に上昇しているのです。これは典型的なヘッジファンドの手口です。それも、アメリカのヘッジファンドによるものと見てまず間違いありません。

 衆院選の少し以前から、昼の少し前、あるいは昼休み直後に、円のレートが、チャートで見ると垂直の動きをして、急激な円安へと動くことがありました。この動きと、昨日の各電力株の動きは、そっくりなのです。アメリカのヘッジファンドのしわざと見て、まず間違いないでしょう。


 〈結論〉
 という訳で、この衆院選を受けての株価上昇、儲けているのはアメリカのヘッジファンドを中心とした金融マフィアであり、そして業種別では、電力セクターだけが突き抜けて上昇し、しかもこれら電力株の買い手こそ何よりヘッジファンドであって、つまり日本にとって良いことは何もないということです。これほど解りやすくていいのか、というぐらい対米従属が露骨に表れた相場展開でした。